2013年11月21日木曜日

S-Fマガジン「リーダーズ・ストーリィ」終了について

40年以上の長きに亘り、S-Fマガジンの名物?コーナーとして続いていた「リーダーズ・ストーリィ」が、2013年12月号をもって終了となりました。小説現代の「ショート・ショートコンテスト」と並び、アマチュア作家にとっては商業誌に自作品が載る数少ない掌編コンテストだっただけに非常に残念です。

「リーダーズ・ストーリィ」の存在を知ったのは今から17、8年ほど前の事でした。以後、毎月の入選作を読みあさり、傾向と対策を練りつつ、自らも入選を夢見て書き始めました。
しかしそこはロクにショートショート、それもSFなんて書いたことにない自分。規定の「5枚程度」をどうしても仕上げることができずに断念。やがてS-Fマガジンも購読しなくなりました。

時は流れ2004年春。学生時代の友人の某マンガ賞受賞の知らせを聞き一念発起。S-Fマガジンを買いに書店へ走り、あの頃どうしてもまとめきれなかったアイディアを一気に書き上げました。それが初投稿作の「移住」です。親の仕事の都合により、夏休みを前に憧れの電脳世界へ移住することになった少年と、彼を羨ましそうに囲むクラスメイトたち。しかし、肉体の消滅を「死」と捉える旧世代の担任教師は彼の旅立ちを祝福することができない──とまぁ、ありがちなストーリーなわけですが、これが選評に掲載され調子に乗りました(笑)。「選評1回はまぐれかもしれない。人に「小説書いてます」と言えるには少なくとも2回載らないと」「入選1回はまぐれかもしれない。2回目が…」「キリのいいところで5回載りたい」「ここまできたら10回」などと続けているうちに、9年間で37作も投稿していました。

入選作についてはブログ等で紹介頂いている方もいらっしゃるようですが、せっかくなので防備録も兼ねて全投稿作のリストを載せておきます。先頭のマークは○が入選、△が選評止まり、×が落選(選評にも載らず)です。その後に作品名、投稿年・月、枚数、【 】内が掲載号です。選評止まりや落選作のなかには、ショートショート仲間主催の同人誌、電子書籍、ブログ等に掲載されているものもあります。


△移住(2004.05・6枚)【2004年11月号「選評」】
×優しい黄昏(2004.10・7枚)【2007年12月発行『没稿』掲載】
○美しい思い出(2004.11・7枚)【2005年3月号「入選」】
×ブルー・ムーン(2004.12・6枚)
×師は舞い降りた(2005.01・6枚)【2007年12月発行『没稿』掲載】
×佳き日のために♡(2005.02・7枚)
×最後の狂戦士(バーサーカー)(2005.03・7枚)
×シーチキン・コミュニケーション(2005.04・7枚)【2011.02.14 puboo「セラエノの小さな物語 ~小説現代、S-Fマガジン常連掲載者5人の送るショートショート集~」掲載】
△不適合遺産(2005.05・6枚)【2005年8月号「選評」】
△スティション(2005.06・6枚)【2005年9月号「選評」】
△結ばれた未来に(2005.07・6枚)【2005年10月号「選評」】【2007年12月発行『没稿』掲載】
△案山子(2005.08・6枚)【SFマガジン「2005年11月号「選評」】
×クライシス『痔・空間』(2005.10・6枚)
○楽園(2005.12・6枚)【2006年3月号「入選」】
△保障期限(2006.01・6枚)【2006年4月号「選評」】
○開拓者(2006.02・5枚)【2006年6月号「入選」】
○穏やかな午後(2006.04・6枚)【2006年8月号「入選」】
○生まれ変わる前にもう一度あなたを抱きしめたい(2006.06・6枚)【2006年10月号「入選」】
○団欒アーカイブス(2006.08・6枚)【2007年2月号「入選」】
○下から見上げた気象予報図(2006.11・6枚)【2007年5月号「入選」】
○オレンジ色の孤島(2007.03・6枚)【2007年9月号「入選」】
○約束の日(2007.09・6枚)【2008年1月号「入選」】
○お祝いのことば(2007.12・5枚)【2008年5月号「入選」】
○保護条例により……(2008.05・6枚)【2008年9月号「入選」】
○いつか星を発つ日のために(2008.09・6枚)【2009年1月号「入選」】
△歪み咲く桜の下で(2008.11・6枚)【2009年3月号「選評」】
△最初の晩餐(2009.04・6枚)【2009年7月号「選評」】【2011.02.14 puboo「セラエノの小さな物語 ~小説現代、S-Fマガジン常連掲載者5人の送るショートショート集~」掲載】
△方舟のゆくえ(2009.06・6枚)【2009年9月号「選評」】【2011.02.14 puboo「セラエノの小さな物語 ~小説現代、S-Fマガジン常連掲載者5人の送るショートショート集~」掲載】
△星権交代(2009.08・6枚)【2009年11月号「選評」】【2011.02.14 puboo「セラエノの小さな物語 ~小説現代、S-Fマガジン常連掲載者5人の送るショートショート集~」掲載】
○ショート・コンタクト(2009.10・6枚)【2010年1月号「入選」】
○果肉祭(2010.03・6枚【2010年7月号「入選」)】
△国営時間旅行機構(2010.09・6枚)【2011年1月号「選評」「サイトーブログ」2010/12/14掲載】
○永遠の日曜日(2011.02・5枚)【2011年6月号「入選」】
△サプライズ(2011.07・6枚)【2011年12月号「選評」】
△陽光の時の間で(2012.01・6枚)【2012年7月号「選評」】
△慈しみの森(2012.10・6枚)【2013年3月号「選評」】
○平成百三十年(2013.06・6枚)【2013年10月号「入選」】

応募数37作/計224枚/入選16作/選評止まり14作/落選7作/選評以上掲載率81.0%/入選率43.2%


こうしてみると壮観ですが、全部で224枚ということは薄めの文庫本1冊分ですから、結構書いているようでそんなに書いていませんね(笑)。
何はともあれ、自作品が商業誌に掲載される喜びを初めて味わったのも、原稿料なるモノを頂いたのもこのコーナーでした。投稿を通じ、プロ/アマチュア作家の方々との繋がりもできました。コーナーがなくなることは残念ですが、このような場を開いてくれたS-Fマガジンには大変感謝しています。

さて、これからどうしようかといったところですが…。
これからも発表の場を求め、投稿のチャンスを窺いつつ、彷徨うことになるでしょう。
まずは小説現代「ショート・ショートコンテスト」を目指しますか。

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